用水路周辺の環境をよりよい形で次の世代へつなぎたい

用水路からはじまった小平

小平は長い間「逃げ水の里」と呼ばれ、水のない土地でした。約350年前に玉川上水から用水路が引かれて新田開発(大部分は畑)が行われ、人が住むようになりました。かつては川とよばれ、生活の中心にあった用水路は、今も市内に約49㎞残っています。

多摩川の原水が流れる用水路には、豊かな生態系があります。特に水量が豊富な小川用水の上流部には、絶滅危惧種のアブラハヤや、準絶滅危惧種のニゴイ、カマツカをはじめ、クチボソ、カワムツ、ナマズ、ドジョウなどの魚類や、ヌマエビ、カワゲラ、カゲロウ、カワニナ、トンボのヤゴ類、ホタル、ザリガニなど、多様ないきものが生息しています。それらを餌とするサギやカモも飛来します。2010年の新堀用水の調査では、アブラハヤ、カワムツ、ドジョウ、カワゲラ2種類、ニッポンヨコエビ、カワニナなどが確認されています。

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胎内堀保全工事で小平のほとんどの用水路の水が止まる?

小平市は、今年9月から予定している新堀用水の胎内堀保全工事のために、11月から3カ月間、新堀用水上流部で水を止める計画を明らかにしました。市内の用水路のうち、野火止用水と砂川用水以外の用水路は、新堀用水から分水されており、新堀用水上流部で水を止めると、市内のほとんどの用水路の水が止まります。沼さらいや工事や清掃のために水を止めることは今までにもありましたが、市内の用水路の喉元のところで長期間水を止めることは、ここ40年来なかったそうです。長期間水が止まれば、豊かな生態系は大きく崩れ、環境はそう簡単に元に戻らないと心配する声が高まりました。

用水路全体図+情報
赤線は今回の工事で水を止めると影響を受ける用水路

用水路の水を止めないよう求める市議会請願提出

そこで、私たちは今年5月に「用水路の水を止めないよう求める会」を立ち上げ、小平市議会に「胎内堀の保全工事に当たり、市内用水路の生態系を壊さないよう、流水の維持に努めるなど工事を工夫」することを求める請願を提出しました。この請願は6月市議会において審査され、全会一致で可決されました。

全会一致での可決を受け、現在、小平市は少量でも水流を維持しながら工事する方法を模索しています。私たちは、小平市の動向を見守りながら、市内用水路の生態系について調べ、貴重な生態系の維持を求めていきます。

いきもの調査を行い、よりよい環境を次の世代へつなぎたい

多摩川の原水が流れる小平の用水路は、人工的な環境ではあるものの、水中や水辺にくらす多様ないのちをつないでいます。水辺のいきものに親しみ、身近に観察できる環境は小平の貴重な財産です。

用水路周辺の環境をよりよい形で次の世代へつないでいくためには、まず今そこにどんないきものがいるのか、継続的に調べて記録する必要があります。市でも生物調査を行っていますが、これまで道路建設にともなう環境調査以外には結果が公開されていません。そこで、私たち自身がその調査に関わり、いきものを知り、環境を知ることが大切だと思います。それは地域の中で人と自然とのつながりを学び、環境を豊かにしていく場にもなるのではないでしょうか。生き物のつながりだけでなく、関心のある人たちがつながっていける場にしていきたいと考えています。一緒に用水路でガサガサしませんか?

 

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